1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
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街の紫陽花 <1>

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 ライオン橋の愛称もある難波橋のライオン像は有名ですが、そこから堺筋を南に少し歩いた今橋1丁目にあるライオン像は、今は解体されて現存しない北浜野村ビルの壁面にあったものです。
 北浜野村ビルは1921(大正10)年に建てられたものですが、海野弘著『モダンシティふたたび』の中で「都市の獣たち」と題して、次のように述べられていました。

 すでに近くの難波橋には獅子像が置かれていたが、一九一五年のこの獅子と一九二一年の北浜野村ビルの獅子では、まったく表現がちがうのである。橋の獅子は、伝統的なスタイルであるが、ビルの獅子は、そばでよく見ると、一九一〇年代にピカソなどによって発見されたキュービズムのスタイルで刻まれていることがわかる。
 二十年代にはメカニックなモダン都市があらわれたのであるが、なぜかアフリカ的なものがはやり、獅子や豹など野性動物のイメージが好まれた。このビルの獅子像は、そのような時代を映しているのである。
 それは、都市文化があまりに発達すると、原始的な世界へのあこがれが強くなるということだろうか。それとも、この現代都市こそ、コンクリートのジャングルであり、野獣がうろついている街だということであろうか。

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 < コンクリートのジャングルであり、野獣がうろついている街 >にも季節はめぐり…
 街のあちらこちらでは紫陽花が咲いています。
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 前回紹介した大阪セルロイド会館にも紫陽花が咲いていました…
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 今もよく見かけるこれらの一般的な紫陽花は、もともと額紫陽花を品種改良してできたものとのこと…

 大阪セルロイド会館の近くにあったレトロな家屋の軒先には、やはり古くからある額紫陽花が似あいますね。
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 こちらはオフィス街の紫陽花…
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# by suzu02tadao | 2017-06-27 07:00 | Comments(0)

大阪セルロイド会館

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 大阪セルロイド会館は昭和6(1931)年に建てられ、昭和12(1937)年に増築された建物ですが、国の登録有形文化財に指定されています。
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 まず最初に建てられたのが、角の曲面が円柱になっているこの北館です。
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 その後、南館が増築されましたが、こちらは町屋風の窓と庇が特徴的なデザインで、まったく印象の異なる外観になっています。
 ちなみに設計者は、どちらも大阪府営繕課で多くの公共建築物を手がけた、西田勇(1897-1984)です。
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 建物の東面の中間には、北館と増築された南館を区別する仕切りがありますが、スペイン瓦と2階のアーチ窓は共通で、一体感のある表情をつくりだしています。
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 町屋風の庇にスペイン瓦というミスマッチな組み合わせが独特です…
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 この南館の交差点に面した側がメインの出入口になっていて、正面から見ると、和と洋が奇妙に入り混じった姿は、なんとなく大江ビルヂングに似た雰囲気があります。

 特に3つ並んだ丸窓と庇の下のスリット窓は、ちぐはぐな印象がありました…
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 ところが、内側から見たら…
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 この丸窓が未来的で、いい雰囲気なんだな…これが!
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 スリット窓も、とてもオシャレ~じゃありませんか…!
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 階段を下りてゆくと…窓から差し込む光が美しい!
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 もともと白色だった外壁は、2003年に今の色に塗りなおしたようで、内部も補修されていますが、昔の面影を残しているところもいくつかありました。
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 大阪セルロイド会館のある東成区今里は、かつてセルロイド産業の中心地で、加工場がたくさんあったということです。
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 セルロイドは世界初のプラスチック素材として、様々な製品に使用されましたが、次々に新しい素材が開発される中、徐々に姿を消し、今ではほとんど見ることができなくなりました。

 この建物の一室は昔のセルロイド製品の展示室になっていて、他はセルロイドと関係のある組合や連盟の事務所が入居しているようです。

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 周辺には、昔の下町の面影を残すレトロな家屋が残っていました…

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【おまけ】
 20年位前に手に入れたセルロイドのせっけん箱。
 詳しくは覚えていませんが、確か骨董市で昔の木製の置き薬箱を買った際に、たまたま中に入っていたいろんなガラクタの中の一つだったように思います。なかなかモダンなデザインなので気に入っています(^^)
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# by suzu02tadao | 2017-06-24 07:00 | Comments(2)

佐伯米子 <帰りたい風景>

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 水上瀧太郎の小説『倫敦の宿』(昭和10年刊)の装幀は、ちょっと凝ったもので、帙のようなハードカバーの見開きには、まるでヴァン・ドンゲンの作品を思わせる妖艶な女でありながら、どこか清純な雰囲気が漂う、軽妙なスケッチ風の絵があって…

 誰だろうと思ったら、佐伯米子でした。

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 佐伯米子(1903-1972)は早世の天才画家として知られる佐伯祐三の妻で、夫と共にフランスに渡り、ヴラマンクに師事。「アルルのはね橋」がサロン・ドートンヌに入選するなどしましたが、夫・祐三と娘・彌智子がフランスで相次いで亡くなると帰国。
 その後は二科会展に出品し、戦後は、二紀会の同人となり、三岸節子らと女流画家協会を創立して活躍しました。

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 洲之内徹は帰りたい風景 気まぐれ美術館の中で、佐伯米子の絵について次のように述べています。

 とにかくこの数日、私は佐伯さんの絵の爽やかで楽しく、優しい印象で、不思議に安らいだ気持の中にいる。生き返ったような心地である。

 この時の絵は佐伯米子が郷里の吉浦へ帰っていたときに描いたものでしたが…

 また風景の話になって、吉浦の風景だってただ懐かしいばかりじゃない、何か、本物の風景は別にあるのだという気がしてならない、と佐伯さんは言うのだったが、それを聞いて、私は、佐伯さんの風景の懐かしさは、その、眼の前にあるのとはちがう帰りたい風景への懐かしさなんだなと思った。これが佐伯さんの風景なのである。

 佐伯米子は戦後もフランスに渡り、そのときのパリ風景の素描の作品展を洲之内徹の「現代画廊」で開いていますが、昭和28年の雑誌『』6月号にはチュルリー公園の詩人と題して、佐伯米子が絵と文を載せていました。
(以下抜粋…)

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 ふとみると一つの樹蔭げの椅子に老人が、ただ一人ぽつねんと物思いにふけっていました。黒いそまつな服を着たそのおじいさんは詩人でした。
 次の日に私共はオペラにゆこうとして同じ公園の入口の辺で、ばったりまた、昨日のおじいさんにあいました。その時老人は大そううれしそうに、あいさつして、一つの手紙をわたされました。
 いそいでいたので、そのままわかれて、ダルソンヴルや、マルゴ・ホンテーンの出演するオペラに、かけつけました。
 帰りもおそかったので、そのまゝわすれていて、翌日になって、食事中にふとおもい出して、その手紙をとり出して、みましたら、それは日本の女――、私のためにつくって下さった、美しい詩でございました――。


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# by suzu02tadao | 2017-06-21 07:00 | Comments(0)

中之島図書館でランチ…

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 中之島図書館の2階にある…
 Smorrebrod kitchen Nakanoshima(スモーブロー キッチン ナカノシマ)。

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 北欧の郷土料理の店とのことで、インテリアも北欧モダンな仕上がりになっていますが、もともとの歴史的建造物としてのベースを活かしているので、とても心地よくて…
 ついつい長居してしまいました。
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 食事を済ませて、外から店を見ると…
 窓から漏れる柔らかな光と窓に映った情景や光が交錯して、ちょっとミステリアス。
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 帰り際、館内を少しブラブラ…
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 廊下を歩くだけで、趣きのある情景が次々と目に映るので、お腹だけでなく目も満足…
 ごちそうさまでした。
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# by suzu02tadao | 2017-06-18 07:00 | Comments(2)

杉浦非水 <My favorite works>

「東京劇場・番組」1930(昭和5)年11月
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 先日まで京都の細見美術館で、モダンデザインの先駆者「杉浦非水」の展覧会が開催されていました。
 展覧会では愛媛県美術館が所蔵する非水の作品や関連資料が多数紹介されており、帰宅した後も図録を見ながら、以前に当ブログでも紹介した劇場のパンフなどを取り出してきて眺めていました…

 「東京劇場・番組」の裏表紙の「三越」の広告は、近代的なビル街をモチーフにした先進的なデザインで、以前にも書いたように、非常に小さなスペースではあるものの、非水の優れた表現力・構成力を示す作品になっていますが、「日本橋本店、銀座支店、新宿支店」と店名が記載されているところが、他のパンフの広告とは違っていたので、調べてみると、この年の4月に銀座支店、10月に新宿支店が近代的なビルディングの店舗として新たにオープンしていたので、なるほどと思いました…

「銀座三越 四月十日開店」「新宿三越落成 十月十日開店」のポスター
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 このように、その当時の時代状況に合わせた話題を取り入れながら、けっこう非水自身も楽しんで制作していたように思われます…

 さて、「今日は帝劇、明日は三越」は、帝国劇場が日本初の西洋式の劇場として開設した時に、来場客に無料で配付したこのようなパンフ(プログラム)の三越の広告のキャッチ・フレーズでしたが、大正末から昭和には、帝国劇場も他の劇場と同じように「お買物は三越」になっています…

「帝国劇場・番組」1927(昭和2)年6月【左】、1925(大正14)年11月【中】、1927(昭和2)年12月【右】
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 よく見ると広告のいちばん下に「帝国劇場筋書番組広告一手取扱 杉浦組」とあり、中には電話番号まで記載しているものもあって、さすがに商業デザイナーとしてもなかなか…だったことがうかがえます。

 「三越」の広告やポスターと同じように「東洋唯一の地下鉄道 上野浅草間開通」のポスターも代表作ですが、下図は非水をはじめ濱田増治・仲田定之助など、その当時第一線で活躍していたメンバーが編纂した『現代商業美術全集2』に載っていた図版です。
 現存するポスターの多くは退色していて、いちばん手前にいる婦人の服の色がグリーンではなくなっているものがほとんどのようです…
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 『現代商業美術全集2』から、これは非水作のポスター図案。
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 『現代商業美術全集21』から、これは非水作のブックデザイン案。
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 ブックデザインといえば、同じく「鳥」をモチーフにした『現代日本文学全集』は、当時の円本ブームのきっかけになったことで有名で、また、アールデコを代表するデザインでもあって、展覧会にも展示されていました。
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 展覧会にあったものは、正岡子規集だったのですが、それは非水が愛媛県美術館のある松山市の出身だったからで、奥さんが歌人の杉浦翠子というのもうなずけます。
 ところで余談になりますが、この文学全集は古本市の均一台でもたまに見かけるもので、私の所有するものは新興文学集なんですが、掲載メンバーが横光利一・片岡鉄兵・前田河広一郎・葉山嘉樹・岸田國士となっていて…!?
 その後のそれぞれの歩みをみれば、バラバラなんですね…
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 展覧会では『嫁入叢書』も展示されていました。


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# by suzu02tadao | 2017-06-15 07:00 | Comments(0)