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「暴れ出した孫悟空」
◇映画チラシ:1939(昭和14)年
上図は2色刷りのチラシで、今のオフセット印刷と同じ手法の平版で刷られているのだが、むしろ同じ手法のリトグラフに近いものである。 左右の緑色と赤色のインクは印刷の際に職人の手によってローラーで盛られたものであり、また、文字は全て手書(描)きのものとなっている。 イラストの部分を拡大してみると、そこに「ベタ」という指示書きがそのままになっていて、これは映画の配給会社から、ポスターやパンフレット用に支給されたイラストの版下を使用しているのだが、「ベタ」にせず…、すなわち塗りつぶさずに製版したところに、このチラシを制作した印刷所のデザイナー(図案家)のセンスが伺える。 こういったチラシのようなものは、コストがかけられず、また数多くの量をこなす必要があったため、制作に手間がかけられなかった。 この当時は、広告や印刷にかかわる図案家などの社会的地位は低かったが、現場の図案家のセンスと職人の高い技術に支えられていた部分が多かったといえる。 私はこのチラシのようなものを見ると、その昔、幕末頃に日本ではその価値を認められなかった浮世絵が、緩衝材として海外に流出したことにより、当時のゴッホやマネなどの芸術家に多大な影響を与え、また海外のコレクターの眼にとまり高い評価を得たことを思い出し、額装でもしてみようかと思ってしまう。 ところで、この映画「暴れ出した孫悟空」の主役は当時大人気の「ちゃんばら映画」のスター、羅門光三郎で、共演者の中には伴淳三郎などなつかしい名前もあるが、なんと!当時、18か19歳の森光子さんが出演しており、既にこの頃から活躍していたことがわかる。 森光子さんは今もご健在のようである…。 暑さ厳しき折、健康にはくれぐれもお気をつけください。 暑中お見舞い申し上げます。
by suzu02tadao
| 2012-08-04 11:15
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