1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
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「浪花小唄」

◇楽譜「浪花小唄」表紙:1929(昭和4)年
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 「浪花小唄」は、この年の5月に発売された「東京行進曲」に続いて、6月にビクターレコードから発売されてヒットした曲で、その副題に「道頓堀夜景」とあり、またフレーズに「♪ テナモンヤ ないかないか 道頓堀よ♪」とあるように道頓堀を歌った曲であり、同じ頃に流行った「♪ 赤い灯 青い灯 道頓堀の~♪」の「道頓堀行進曲」と共に長い間、大阪のテーマソングになっていた曲である。
 なお、最初に発売された二村定一盤と1ヶ月後に発売された藤本二三吉盤とでは歌詞が違っているが、男性版と女性版といったところのようである。

◇「浪花小唄」二村定一:歌詞

うつる灯(ほ)かげを ボートがくだく
可愛やこぼれる 片えくぼ
テナモンヤ ないかないか 道頓堀よ

虹の灯(ひ)のまち 夜あかし雀
たもと たもとの 紅が散る
テナモンヤ ないかないか 道頓堀よ

消えてまたつく 五色のあかり
男ごころを 知りゃせまい
テナモンヤ ないかないか 道頓堀よ


【参考】浪花小唄 二村定一 - YouTube

◇「浪花小唄」藤本二三吉:歌詞

いとし糸ひく 雨よけ日よけ
かけた情を 知りゃせまい
テナモンヤ ないかないか 道頓堀よ

燃えて火となれ 私のこころ
こがれこがれりゃ 火ともなる
テナモンヤ ないかないか 道頓堀よ

恋のサイレン 何処までとどく
待てば思いも みなとどく
テナモンヤ ないかないか 道頓堀よ

消えてまたつく 五色の灯り
女ごころを 知りゃせまい
テナモンヤ ないかないか 道頓堀よ


【参考】浪花小唄 藤本二三吉 - YouTube

 二村定一も藤本二三吉も、この当時はビクターと専属契約を結んでおり、以前ここで紹介した「都会交響楽」もこの二人が歌っている。
 二村定一(ふたむら ていいち、1900-1948)は、昭和初期を代表する歌手・ボードビリアンで、歌手としては「浪花小唄」の他にも「君恋し」(戦後にフランク永井がカバーして大ヒットしたが、オリジナルはこちらです)など数多くのヒット曲があり、「東京行進曲」の佐藤千夜子とともに、日本の流行歌手のパイオニアといわれている。
 ボードビリアンとしても、川端康成の新聞小説『浅草紅団』で紹介された「カジノ・フォーリー」などで活躍した「エノケン」こと榎本健一と共演して、大人気を博したのだった。
 藤本二三吉(ふじもと ふみきち、1897-1976)は、「♪ 月はおぼろに東山 霞む夜毎のかがり火に~♪」の「祇園小唄」の歌手としても有名である。

 ところで、『浅草紅団』には、「浪花小唄」が出てくる場面があり、しかも、この小説の主人公ともいえる「弓子」の重要な言葉のある場面なので、それを紹介しておきたい。

 <「~私は女じゃないの。姉さんを見たんで子供ん時から、決して女にはなるまいと思ったの。そしたらほんとうに、男っていくじなしね、だれも私を女にしてくれないの。」
 ―――テナモンヤないかないか、道頓堀よ。
      虹の灯のまち、夜あかしすずめ・・・・・・・・
 と――オォケストラ・ボックスのジャズ・バンドよりも騒がしく、地下室のカジノ・フォウリイ直営食堂から、拡声蓄音機の「浪花小唄」が響いて来る。
 舞台は「ステッキ・ボォイ」の第四景「新宿駅プラット・フォウム」の場だ。~>

(水族館 十)より

 他に「都会交響楽」も登場しており、『浅草紅団』がいかに当時の風俗を詳細にルポしてできたものかが、うかがい知れるが、ここでは、大阪のご当地ソング「浪花小唄」が東京で流行の先端を行く浅草をも凌駕していたという事実だけにとどめておこう。
 実際、この頃は、大阪資本のカフェーが銀座をはじめ東京のいたるところに進出していた時代であったという。

 さて、この楽譜の装丁デザインは、サインは無いが斎藤佳三のものである。なお、『モダン道頓堀探検』(橋爪節也編)によると、別バージョンの表紙もあるようだ。
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 この曲が発売されたのと同じ頃、昭和4年5月25日発行の観光ガイドブック『大阪名所遊覧/栞』の中で、道頓堀は次のように紹介されている。 

 <華やかな心斎橋筋を南戎橋を渡って東に折れた所又は市電日本橋で下車南詰を西である。
 大阪随一の歓楽街である。先頃まで歌われた赤い灯、青い灯の道頓堀は二百数十年の伝統を受けた娯楽場で五座の櫓がずらりと軒を並べ他の地に於ける此種の娯楽場とはなんとなく趣きが違って居るので、昔よりその情景を喜ばれて居た。
 殊に近年カフェーの発展と共に、赤、青等色とりどりに飾られて宗右衛門町と櫓町と共にこのカフェーの灯火に彩られた川の面は、春の宵、夏の夕、なんとなく艶めかしい小波をたたえて、行く人の心をそそるのである。>


◇『大阪名所遊覧/栞』より
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by suzu02tadao | 2012-09-29 14:00 | Comments(3)
Commented by ampmh at 2012-10-01 13:19
毎回、モダンな世界.雰囲気を楽しみ、うならせて頂いています。

まだまだ専門的な知識はなく今回の楽譜イラスト等の雰囲気を楽しんでいるレベルなのですが…

今後も新しい記事楽しみにしております。
Commented by suzu02tadao at 2012-10-02 16:15
ampmh 様
町歩きが趣味の私にとって、「工房日誌」はとても面白く、さっそくお気に入りに登録いたしました。
今後ともよろしくお願いします。
Commented by ampmh at 2012-10-03 09:48
suzu02tadao様
どうも有難うございます。私のブログは単なる備忘録のようなものでお恥ずかしいです。
私も『モダン周遊』お気に入り登録させて頂きました。よろしくお願いします。
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