1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
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楽天地 ~大阪歌舞伎座

◇下高原健二:挿絵「楽天地」(『笑説 法善寺の人々』)より
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 <大正二年、ここに楽天地が千三百三十六坪の地上に、総三階建ての中央に、カタツムリ型のドームのある延べ五三〇〇坪の大建築として出現した時、あまり物おどろきをしない大阪人も
 「顔負けした」
 と、目をみはった。>


 前回とりあげた『笑説 法善寺の人々』の中でも触れている「楽天地」は、1914(大正3)年に千日前交差点の南西隅に開業した。
 設計したのは、新世界の建築計画及び初代通天閣を設計した設楽貞雄(しだら さだお、1864-1943)で、いわゆる「南の大火」の焼け跡にあって、復興のシンボルとなり、地上3階建てで多くの尖塔を持ち、中央には円形ドームを載せ、夜はイルミネーションで彩られていた。

 館内では大劇場と二つの小劇場で映画・落語・演劇を公演しており、『三都及びその近傍遊覧旅行案内』(大正14年7月5日発行)では次のように紹介されている。
 <楽天地の内部は活動写真、落語、芝居の三部に分れて居るが、一枚の切符でどこへ這入つて見てもよい。屋上に上れば付近は一目に見えて眺めがよい。普通昼の十一時頃から開演する日曜日や一日十五日や祝祭日は大抵満員であるが、此頃の様に不景気風が吹くと不断はあの大きな建物だけに少し人がさびしい感じがする。しかし不断に入場するとゆつくりしてよい。娘さんたちはふだんに行くと、不良青年が手を延し難い丈けに安全でよいと思ふ。>
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 この「楽天地」も昭和時代になると、次々とできた新しい名所に押され、1930(昭和5)年には閉鎖した。
 その跡地に、1932(昭和7)年に誕生したのが、東京・歌舞伎座を凌ぐ座席数と舞台設備を誇った「上方歌舞伎の殿堂」と呼ぶに相応しい「大阪歌舞伎座」であった。

 大阪歌舞伎座ができた当時のガイドブック『新近畿行脚』では、写真と共に<近代建築の粋をあつめて>と題して紹介しているが、今日の施設と遜色がない内容となっており、まさに時代の最先端を行く「モダン・シティ大大阪」を象徴するものだったことがわかります。
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 <大大阪の歓楽街千日前にそゝりたつ九階建、高さ三十米、青磁一色のタイル張り、すがすがしい南欧近世式の大建築の大阪歌舞伎座。
 舞台は間口二十七米、廻り舞台径十八米の大舞台、セリ上りから廻り舞台まで電力装置で自由に動く、一階から四階までの観覧席は二階正面一筋のほかは全部椅子席で二千八百人の大衆を収容出来る。
 殊に四階には大阪ではめずらしい立見場風な椅子席による一幕見物場がある。
 尚モダンな和洋食堂、ハイカラな喫茶店、託児所もある。
 五階以上は一般入場随意で、デパートそのまゝの商品陳列場・大衆食堂・運動場・約十アールのスケートリンク、都会のオアシスとしての屋上庭園などを設け、其の他十一個のエレベーター、暖房・冷房・オゾーン発生装置、各階各室にはスピーカーにより時々刻々の社会ニュースの幕間放送など、櫓にひびくカンカラ太鼓を思はせる伝統的な名をもつ歌舞伎座ながら、内容外観は近代的設備の粋をあつめて、東洋一の大劇場として大衆に呼びかけてゐる。>


◇大阪歌舞伎座と藤沢桓夫(昭和14年)
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 楽天地~大阪歌舞伎座・・・・そして現在の風景です。
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by suzu02tadao | 2013-12-07 15:20 | Comments(0)
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