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1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
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小野佐世男

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 小野佐世男が装丁と挿絵を手がけた『現代ユーモア小説全集 1 世路第一歩 求婚時代』佐々木邦著(1935年5月初版)です。
 これは記念すべき今年最初の古書の買い物でした…♪
 この本の表紙の絵は、過去にも展覧会のチラシ等で使われた代表作のひとつです。
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 裏表紙および函にも小野佐世男ワールドが展開されています(もちろん中身の挿絵にもです)・・・
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 小野佐世男(1905-1954)は、モボ・モガが銀座を闊歩した1930年代から戦後にかけて活躍した、まさにエロ・グロ・ナンセンスの世相を描いた画家・漫画家ですが、私が小野佐世男を知ったのは、漫画家で漫画評論家でもあった須山計一著の『漫画100年』(昭和31年刊)を読んでからで、この本の巻頭口絵が小野佐世男の作品「エプロン・ステージ」だったのです。
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 須山計一は、小野佐世男とは東京美術学校(現東京芸大)洋画科の同期だったこともあり、この本の中で次のように書いています。

<小野はいった。
 「おれはロートレックみテエな絵が描きテいナ、でなかったらグロッスみテエな漫画が描きテいんダ--」
 ある年の夏、須山は小野から漫画絵手紙をもらって、その見事なデッサンと、匂いのあるエロチシズムに感動した。それから間もなく、須山や松山(文雄)は彼を下田憲一郎の「東京パック」などに推薦した。>

<クラス会があると、「カルメン」のドン・ホセをやり、ひろい料理屋の部屋中をとび廻った。小野は罪のない嘘や馬鹿話の名人で、級友から嘘つき村の助役という妙な仇名をもらって、かえってよろこんでいた。
のちに
 ホラ男爵
 嘘つき佐世男
 ほらさせ
 与太佐世
 洞佐書店
 空談子
 デング、マラリア、オノサセオ
 などという新興宗教の呪文のような文章(?)をかいたが、そもそも漫画スタートは美校時代であった。>


◇海の尖端ガール
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 ちょうど今、京都で「小野佐世男展 ~モダンガール・南方美人・自転車娘~」が開催(H25.10/31~H26.2/11)されており、ここでは以前の展覧会の時の図録『モガ・オン・パレード 小野佐世男とその時代』も販売していたので、さっそく手に入れたのでした。
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 なお、展覧会場となった「京都国際マンガミュージアム」も、なかなかおもしろい施設だったので、次回に紹介したいと思います。
小野佐世男_c0239137_1156586.jpg

by suzu02tadao | 2014-01-26 12:00
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