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古伊万里染付図譜

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 昭和の初め頃より、民藝運動を中心に日常的な暮らしの中で使われてきた「雑器の美」も見直されるようになりましたが、それでも、戦後になってからもしばらくは、古伊万里の雑器は下手もの、安ものの代名詞でした。
 そのような中で刊行された、瀬良陽介著『古伊万里染付図譜』(昭和34年)は、古伊万里の雑器に新しい美を見出したということで、いわゆる第一次古伊万里ブームのきっかけとなったものだといわれています。

 前回も少しふれた阪急百貨店内にあった瀬良石苔堂には、『古伊万里染付図譜』の内容と同じように、初期伊万里の優品だけでなく、上の写真のような、もっと気軽に買えるそば猪口なども置いていました。

 これらのものを買った頃には、高齢であった瀬良陽介氏はほとんど店に顔を見せることはありませんでした。
 ところがある日、私が店前のショーケースを覗いていると、たまたま居合わせた瀬良氏と目が合ったのですが、その当時は若造だった私に対しても会釈をしたので、さすがに、なにわの商人だな…と思ったものでした。

◇瀬良陽介氏:『名品訪問』秦秀雄著(昭和37年)より
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 この『古伊万里染付図譜』は、序文を柳宗悦が書き、図版解説を秦秀雄がしており、日本磁器創製期の発らつとした美しさをもつ初期伊万里と庶民の雑器を代表する「くらわんか」と呼ばれる古伊万里を中心にまとめられたものでした。
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 そして、この本で「くらわんか考」を執筆していたのが、古伊万里や大津絵の他、こけしのコレクターでもあった米浪庄弌です。

 米浪庄弌は、私家版蔵書票を棟方志功などの有名版画家が制作していることでも知られており、下図は恩地孝四郎の作品で、米浪の「米」の字をモチーフにしています。

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by suzu02tadao | 2015-06-16 14:35 | Comments(0)
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