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1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
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ヘチマコロン〔大正モダン〕

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 このヘチマコロンのパッケージは確か17~18年位前に手に入れたものだと思うのですが、買った場所、値段などはまったく覚えていません。
 ということは、恐らく値段が安かったので、何か他のものを買ったついでに手に入れたのではないかと思われます。また、アールヌーボー調のデザインは私の好みからいうと少々ずれており、しかも、とても状態も良くキレイだったので、それほど古いものではないような気がしたのでした。

 ところが、前回の広告をまとめて手にいれたので、改めて調べてみると、なんと!ヘチマコロンの発売は大正4(1915)年で、今年で100周年ということです。
 しかも、このパッケージのように金属が付いたコルクの蓋のものは、初期の古いタイプであることがわかりました。

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 そう思って見直してみると、ラベルのデザインなど細部もなかなか味わい深いのです…
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 ヘチマコロンが発売された当時は、まさに大正モダンの黎明期でした…
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大正3(1914)年
 第一次世界大戦勃発。「東京駅」開業。「宝塚少女歌劇」初演。「女性パーマ」流行。「森永ミルクキャラメル」発売。「東京大正博覧会」にて日本初のエスカレーターが登場。そして、エスカレーターやエレベーターなどの最新設備を備えた三越呉服店の日本橋本店がオープン。この頃から「今日は帝劇、明日は三越」のコピーが流行。
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大正4(1915)年
 第1回「全国中等学校優勝野球大会」(現在の全国高等学校野球選手権大会)開催。「大阪市天王寺動物園」開園。「東京ステーションホテル」開業。


「本郷座」番組(大正5年)より
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大正5(1916)年
 松井須磨子が歌って大流行した「ゴンドラの唄」の作詞は吉井勇でした。

『吉井勇集』(大正6年)
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 この本には、

 紅灯のちまたに往きてかへらざる人をまことのわれと思ふや

 などの初期の代表作が載っていますが、巻末には竹久夢二装幀の『祇園歌集』と『東京紅灯集』が紹介されています。
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 そして、竹久夢二は昭和5(1930)年には、コマーシャル・ソング「ヘチマコロンの唄」をつくっています。

 ヘチマコロンの唄 <秋>

  街にころころ なく鳥は
  ヘチマコロンか 恋鳥か
  鳴けば鳥さへ 身にしみる
  むすぶネクタイ 長みじか
  コロンコロン ヘチマコロン

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by suzu02tadao | 2015-09-17 11:25
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