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柳瀬正夢「クラルテ」以前から柳瀬正夢の装幀や挿絵のあるものには注目していて、この本も廉価だったのでジャケ買いしたものですが、なんと!大正12年4月12日発行の初版本でした。もちろん裸本ですが… この『クラルテ』は、フランスの反戦運動家・作家のアンリ・バルビュスの小説で、小牧近江と佐々木孝丸の共訳となっています。 小牧近江(1894-1978)は、フランスのパリ大学在学中にバルビュスの提唱した反戦運動「クラルテ運動」に共鳴します。 「クラルテ」とは光明を意味するのですが、第一次世界大戦の戦争体験によって、平凡な勤め人が社会の不条理や階級意識に目覚めてゆき、光明は万人のためのものと知る過程を描いたこの小説は、「クラルテ運動」の契機となったもので、小牧近江はバルビュスから直接、翻訳を委任されています。 小牧近江が「クラルテ運動」の種を日本で蒔くという趣旨で始めた雑誌『種蒔く人』に、柳瀬正夢は1921年から参加しており、この本にも、次のように名前が明記されています。 ちょうど、この本が出版された頃に、柳瀬正夢はベルリンから帰国した村山知義と出会い、MAVOを結成して前衛美術家としても活躍しています。 この当時の柳瀬正夢の作品には、なんとなく…ベトナム反戦運動が盛んだった1970年頃と共通する空気が感じられます。 ◇赤瀬川原平「櫻画報」
by suzu02tadao
| 2016-01-26 11:15
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