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恩地孝四郎 <My favorite works>1950(昭和25)年発行の『藤沢桓夫(長編小説名作全集)』です。この当時は藤沢桓夫も人気作家として、このような全集が出ていたのですね… この本は数年前に、童話のような装幀を手がけたのが恩地孝四郎だったので、思わずジャケ買いしたものです。 手に入れた時は、恩地の表現の幅の広さに驚きもしたのですが、そこはかとなく漂う「抒情」は、恩地作品に共通するものだと思います。 20年ぶりの回顧展ということで、和歌山県立近代美術館の「恩地孝四郎展」を見に行ってきました。 海外からの里帰り作品を含む版画243点を中心に、油彩、素描、写真、ブック・デザインなど、その領域横断的な仕事も併せて、約400点を一挙公開とのことで、なかなか充実した内容で見ごたえがありました。 また、作品の額装のイメージを統一するなど、展示の仕方にも工夫が感じられ、好感が持てました。 そんなことで、帰宅した後も、図録を見ながら、以前に当ブログでも紹介した、装幀本などを取り出してきて眺めているというわけです。 「書窓」 「みづゑ」 「EXLIBRIS」 展示作品では、雑誌『月映』を刊行した頃の初期の作品がとても充実していて、思わず見入ってしまう作品がいくつかありました… 「望と怖」1914年頃 さて、恩地孝四郎は若い頃に竹久夢二との出会いをきっかけに画家を志し、そしてセザンヌに傾倒する中で、カンディンスキーらドイツ表現主義作家の抽象版画に深く共鳴したのですが、具象的な表現の作品でも抽象絵画としての特性を備えているところが魅力だと思います。 その意味で、今回の展示作品の中の「ノックダウン」はちょっとした発見でもあって、気に入りました。 ダウンして懸命に立ち上がろうとするボクサーとカウントをとるレフェリーのリアルな姿、それを囲むスクエアなリングとロープの緊張感あふれる構成美… エドワード・ホッパーなどの同時代の作品とも共通するモダンでポップな表現ですね。 「ノックダウン」1932年 私が行ったのは小雨まじりの展覧会最終日でしたが、緑に囲まれた美術館はなかなか風情がありました。 【おまけ】 恩地孝四郎とは関係ないのですが… 美術館の脇にあった幼稚園のレリーフに、心惹かれるものがありました。
by suzu02tadao
| 2016-06-21 11:30
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