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1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
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『旅の友』4月号

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 趣味の旅行雑誌『旅の友』<1931(昭和6)年4月号>です。

 名古屋鉄道局内にあった中部旅行協会の発行となっています。
 表紙は生涯にわたり名古屋を中心に活躍した杉本健吉(1905-2004)のデザインです。

 特集は「春の行楽」ですが、桜の名所を中心に紹介されていて、扉の写真は「京都・平安神宮の舞妓さん」になっています。
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 <春の行楽地紹介>では、「京都の春」「四日市鉄道と伊勢電沿線」「静岡、清水興津めぐり」「弁天島と浜名湖めぐり」など・・・
 名古屋近郊だけでなく、鉄道利用で行ける行楽地が載っており、東では「箱根めぐり」、西では「瀬戸内海(安芸の宮島)」が紹介されていました…

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 他の記事で、鉄道局OBの谷口梨花<我国に於ける鉄道の変遷物語>の中で、明治5年の鉄道施設以来、前年に特急「燕」ができたことにより、スピード化が急速に進んだと書いていますが、それでも、この当時の東京-神戸間は9時間もかかっていました。

 さすがに広告は地元が中心で、名古屋市内にあったカフェーや酒場が載っています。
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 その当時、吉田初三郎はとても人気があったことがわかります。
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 そして、今も当時と変わらない?
 こちらは大阪のレトロ・モダンな桜の情景をいくつか…

 泉布観
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 旧桜宮公会堂
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 中之島図書館
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 中央公会堂
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 さて、咲き初めてから花が散るまで僅か一週間か十日ほどの間に、桜はめまぐるしく様々に表情を変えます…

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 さまざまのこと思い出す桜かな

 桜の花びらが舞い散る道を歩くと、ふと芭蕉の句を口ずさんでしまいます。

 そういえば、先日亡くなられた大岡信さんが、新古今集は絵画のような静止画の美だが、古今集は映像のような動画の美だとして、桜を詠んだ歌では次の歌が一番好きだとどこかで書いていたように思います…

 さくら花ちりぬる風のなごりには
 水なきそらに浪ぞたちける
 (紀貫之)


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by suzu02tadao | 2017-04-17 08:00
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