1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
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2017年 06月 15日 ( 1 )

杉浦非水 <My favorite works>

「東京劇場・番組」1930(昭和5)年11月
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 先日まで京都の細見美術館で、モダンデザインの先駆者「杉浦非水」の展覧会が開催されていました。
 展覧会では愛媛県美術館が所蔵する非水の作品や関連資料が多数紹介されており、帰宅した後も図録を見ながら、以前に当ブログでも紹介した劇場のパンフなどを取り出してきて眺めていました…

 「東京劇場・番組」の裏表紙の「三越」の広告は、近代的なビル街をモチーフにした先進的なデザインで、以前にも書いたように、非常に小さなスペースではあるものの、非水の優れた表現力・構成力を示す作品になっていますが、「日本橋本店、銀座支店、新宿支店」と店名が記載されているところが、他のパンフの広告とは違っていたので、調べてみると、この年の4月に銀座支店、10月に新宿支店が近代的なビルディングの店舗として新たにオープンしていたので、なるほどと思いました…

「銀座三越 四月十日開店」「新宿三越落成 十月十日開店」のポスター
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 このように、その当時の時代状況に合わせた話題を取り入れながら、けっこう非水自身も楽しんで制作していたように思われます…

 さて、「今日は帝劇、明日は三越」は、帝国劇場が日本初の西洋式の劇場として開設した時に、来場客に無料で配付したこのようなパンフ(プログラム)の三越の広告のキャッチ・フレーズでしたが、大正末から昭和には、帝国劇場も他の劇場と同じように「お買物は三越」になっています…

「帝国劇場・番組」1927(昭和2)年6月【左】、1925(大正14)年11月【中】、1927(昭和2)年12月【右】
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 よく見ると広告のいちばん下に「帝国劇場筋書番組広告一手取扱 杉浦組」とあり、中には電話番号まで記載しているものもあって、さすがに商業デザイナーとしてもなかなか…だったことがうかがえます。

 「三越」の広告やポスターと同じように「東洋唯一の地下鉄道 上野浅草間開通」のポスターも代表作ですが、下図は非水をはじめ濱田増治・仲田定之助など、その当時第一線で活躍していたメンバーが編纂した『現代商業美術全集2』に載っていた図版です。
 現存するポスターの多くは退色していて、いちばん手前にいる婦人の服の色がグリーンではなくなっているものがほとんどのようです…
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 『現代商業美術全集2』から、これは非水作のポスター図案。
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 『現代商業美術全集21』から、これは非水作のブックデザイン案。
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 ブックデザインといえば、同じく「鳥」をモチーフにした『現代日本文学全集』は、当時の円本ブームのきっかけになったことで有名で、また、アールデコを代表するデザインでもあって、展覧会にも展示されていました。
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 展覧会にあったものは、正岡子規集だったのですが、それは非水が愛媛県美術館のある松山市の出身だったからで、奥さんが歌人の杉浦翠子というのもうなずけます。
 ところで余談になりますが、この文学全集は古本市の均一台でもたまに見かけるもので、私の所有するものは新興文学集なんですが、掲載メンバーが横光利一・片岡鉄兵・前田河広一郎・葉山嘉樹・岸田國士となっていて…!?
 その後のそれぞれの歩みをみれば、バラバラなんですね…
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 展覧会では『嫁入叢書』も展示されていました。


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by suzu02tadao | 2017-06-15 07:00 | Comments(0)