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1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
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神宮徴古館など…<モダン・伊勢名所 -3->

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 以前にもとりあげた神宮徴古館。
 時間が無かったので内部は見学できなかったが、神宮崇敬の歴史と、日本の文化を示す「歴史と文化の総合博物館」ということで、国の重要文化財を含む貴重な資料が所蔵されているそうだ。
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 設計者の片山東熊(かたやま とうくま、1854-1917)は、辰野金吾らと共にジョサイア・コンドルに学んだ工部大学校造家学科の第一期生で、皇室関連施設の設計に数多く携わり、宮廷建築家と称されていた。
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 戦災により創建当初とは屋根の形状は変わっているが、ルネッサンス様式の本格的な西洋建築は間近で見ると、やはり威厳が感じられる。
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 前庭はベルサイユ宮殿を模している。
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 徴古館と同じ片山東熊の設計による木造建築の農業館。
 この建物は1891(明治24)年に創設されたもので、やはり、国の登録有形文化財だが、平成8年に移築・復元されており、まるで新築のようだった。
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 その他、伊勢のレトロな建物を少々…
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# by suzu02tadao | 2013-03-30 14:45

宇治山田駅<モダン・伊勢名所 -2->

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 今年の10月には伊勢神宮の式年遷宮がおこなわれるということで話題になっているが、1931(昭和6)年に伊勢神宮最寄りのターミナル駅として開設された宇治山田駅の駅舎本屋は、国の登録有形文化財にも登録されており、まさに駅舎建築の粋が集められている。
 設計したのは、南海ビルディングや東武鉄道浅草駅を手がけた久野節(くの みさお、1882-1962)で、幅120mの堂々とした外部壁面を覆うクリーム色のテラコッタ・タイルの装飾とスペイン瓦により、壮麗な雰囲気を醸し出している。
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 要所にあしらわれた装飾の配置とバランスがすばらしく、設計者の並々ならぬ力量を感じさせるが、駅前のロータリーに設置してある外灯が駅舎とマッチしない無機質なデザインで、せっかく避雷針のデザインにも凝っているのに、惜しいと思う…。
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 装飾のひとつひとつが凝っている。
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 入口上部に並ぶ八角形の窓は三種の神器の八咫鏡をモチーフにしているという。
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 プラットホームから見ると、何の変哲もない普通の駅に見えるのが、またいい…。
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 明治以降、日本のモダンデザインの歴史の中で、この宇治山田駅舎はまちがいなく様式建築の傑作であることがよくわかり、今度、東京に行く機会があったなら、昨年、元の姿に戻った東武鉄道浅草駅をぜひ見てみたいと思った。
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【参考】大軌参急沿線案内(昭和8年)より
※宇治山田駅が終着駅であったことがわかる。
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# by suzu02tadao | 2013-03-27 11:26

幻の五新線 ②<バス専用道>

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 鉄道路線としては未成線となった五新線だが、現在、五条 - 城戸間はバス専用道路として奈良交通バスが運行されている。
 しかしながら便数は少なくて、平日で5往復、土休日は早朝の1往復だけとなっている。
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 なお、カンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞した河瀬直美監督の映画『萌の朱雀』の路線バスの場面は、主に賀名生停留所の周辺で撮影が行われたという。

 この時、私はツアーに参加したのでバス専用道を歩いたが、普段は一般車両および徒歩での通行は禁止となっている。
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 以前も紹介したとおり、賀名生は梅の名所だけあって、近辺の道路脇には美しく咲く梅の花が目立っていた。
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 賀名生から城戸まで歩いたが、途中にはいくつかのトンネルがあったり、橋を渡ったりで、風景に変化があり、ハイキングコースとしてはそこそこ面白いと思った。
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 専用道城戸バス停の待合室は、まるで時が止まったかのように昭和レトロな雰囲気だった…。
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# by suzu02tadao | 2013-03-24 13:05

幻の五新線 ①<遺構と新町通り>

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 五新線(ごしんせん)は、かつて、奈良県五條市の和歌山線五条駅から紀勢本線新宮に至る路線として計画された鉄道路線(未成線)。
 沿線で切り出された木材を鉄道で輸送させる構想で、1939年に着工。太平洋戦争のため工事は中断するが、1957年に工事を再開し、1959年には五条-城戸間の路盤は完成した。しかしながら、経済社会情勢等の変化によって、採算が見込めないことから、結局列車が走ることなく計画は断念された。
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 五條市の中心部にある国道24号線と交差する辺りから、五新線の遺構であるモダンなアーチ形の高架橋が吉野川まで続いている。
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 このアーチ橋と交差している旧紀州街道沿いの通称「新町通り」は五條市の観光名所で、江戸時代からの建物も多く、古い町並みが残っている。
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# by suzu02tadao | 2013-03-21 17:04

賀名生梅林

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 賀名生(あのう)梅林は、奈良県五條市(旧吉野郡西吉野村)にある丹生川の下流沿いの谷にあって、丘陵を麓から中腹までおおい尽くすように2万本の梅が咲き誇る奈良県下有数の梅林として知られている。
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 さながら雲海のように純白や薄紅色の花で埋め尽くされ、ほのかな香りを山里に漂わせている。南北朝時代に都を追われた公家も梅の花を歌に詠んでおり、当時からすでに梅の名所として知られていたことをうかがわせる。
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 賀名生は南北朝時代に南朝(吉野朝廷)の首都となった地域の一つで、従者の住まいだった皇居が現存しており、国の重要文化財に指定されている。
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 雅やかで壮観な風景の中の梅一輪が、このささやかな皇居の気高さを象徴しているようにも思えた…。
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# by suzu02tadao | 2013-03-19 22:45