1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
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中之島図書館

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 一時期は廃止も噂された大阪府立中之島図書館でしたが…
 リニューアルされてからは、従来の「図書館機能」に加え、展示室や多目的スペースの他、雑貨や文房具のオリジナルグッズなどを販売するライブラリーショップや、話題のオープンサンド専門カフェを併設するなど、なかなかオープンで気軽に利用できる施設になりました…

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 1904(明治37)年に住友家第15代の住友吉左衞門友純の寄付により、ネオ・バロック様式で建てられた建物は、国の重要文化財に指定されています。

 内部の美しい装飾のひとつひとつが見ごたえのある仕上がりになっていて、特に三階にある記念室は、江戸時代中期に設立された大阪商人たちの学問所「懐徳堂」の集まりでも使われていたということで、昔のままの家具と什器が当時の面影を伝えています。

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 一番の見どころは何といってもドーム屋根の下に広がる吹抜の中央ホールですが、天井のドームから差し込む自然光がドラマチックな空間を演出しています。

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 中央ホールに設けられた優雅なカーブを描いて広がる階段は、まるで舞台装置のようです…
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 中央ホールの左右の壁面に彫刻が2つ立っていますが、どちらも「長崎平和祈念像」で知られる北村西望の作品です。
 右側にあるのが「野性」を表す「野神像」で、左側の書物を持っているのが「知性」を表している「文神像」です。
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 ホール中央階段の踊り場にある住友吉左衛門友純による建館寄付記には、「大阪府は人口も多く学問も盛んだが、図書館はないので、微力ながら力を尽くしたい」という内容の文章が記されています。
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 古文書をはじめとする貴重な蔵書の豊富さで定評のある中之島図書館ですが、蔵書を含めた建物全体が文化遺産と言えるように思います。

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# by suzu02tadao | 2017-04-29 08:00 | Comments(2)

星霜珈琲店

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 窓から差し込む光が美しい…

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 窓の外は大川沿いの桜並木。

 お花見と天神祭の時期以外は静かなたたずまいで、ひっそりとしています。

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 今ではほとんど死語になっている“純喫茶”は、珈琲はもちろんのこと、ゆったりと過ごす豊かな時間と空間を味わうための店だったと思います。

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 その昔、東京の「古道具坂田」に行った時に、こんな感じのインテリアの喫茶店があったらいいな…と思ったことがありましたが…

 まさにそんな雰囲気です。

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# by suzu02tadao | 2017-04-26 08:00 | Comments(0)

「る こすちうむ」PATTERN BOOK

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 最初見た時に、金子國義の作品かな?と思ったのですが…

 なんと!これは終戦後間もない昭和21年に発行された婦人服のパターンブックの表紙なんです。

 以前に、同じ頃のもので猪熊弦一郎のお洒落な表紙が気に入って、よほど買おうかと迷って・・・まぁパターンブックですから、その時はやめたのですが、後で買っておけばよかったと後悔したことがあって…
 今回は手に入れたというわけです。

 こういうものを見ると、昭和初期のお洒落なモダンガール達のファッション・センスが、戦時中の厳しい統制時代を経ても、なお失われずに生き残ったということがよくわかります。

 中のイラストも藤田嗣治やマリー・ローランサンみたいで、なかなかいいんです…

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 額装してみました…
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# by suzu02tadao | 2017-04-23 07:00 | Comments(0)

『新撰小学歴史』と『都の花』

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 新学期もはじまっていますが、この春、文部科学省が学習指導要領の改訂案で、歴史教科書の「聖徳太子」の表記を変えようとしたものの不評で、結局元に戻したということがありました。

 そこで興味を惹かれて、明治21年発行の『新撰小学歴史』を調べてみたら…
 なんと!改訂案に近い表記になっていました。

 「聖徳太子」は、蘇我氏の勢力が拡大した時代の<九章>に、まず「厩戸皇子仏を信仰す」として登場しています。
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 そして、推古天皇の時代には皇太子として、四天王寺などの寺を建立したとあります。
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 更には「冠位十二階」と「憲法十七条」を選定、制定及び頒布は帝(推古天皇)としています。
 例の「日出処の天子・・・」の国書も載ってますが、小野妹子を隋に遣わしたのは、やはり帝としていますね…
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 「聖徳太子」の表記が登場するのは、この章の最後だけです。
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 続いて、次の<十章>は大化の改新になっています。
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 明治21年当時の歴史教科書は既に検定制になっており、その後の歴史教育の中核となった「尊王愛国」の皇国史観を育む目的で作られていて、<我が大日本帝国は亜西亜洲の東海に特立し>という書き出しで始まる「総論」では、次のように述べられています。

 ~世々の天子。固より皇統替らず。其の民を愛育し。其の国土を統治し給へり。」されば蘇我氏の王室を凌篾せる。皇子中大兄これを誅し給ひ。藤原氏の朝権を専にせる。後三条帝これを抑へ給ひ。源平氏互に起り。北条氏国命を執り。君臣の礼を紊りしに至りては。後鳥羽上皇これを討ち。~(略)~今生天皇に至り。徳川氏政権を還納し。王政復古より続きて一新の政となり。惶くも天皇敕し給ひて。立憲の政体を立て。民庶と了の慶に頼らんと誓い給ふに及べり。」~

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 今日からみれば、ツッコミどころ満載の記述ではありますが…
 この後、歴史教科書は国定制となり、大正・昭和になるにつれて皇国史観に基づいた国家主義・軍国主義の色彩をますます強めてゆきます。
 
 ところで、少し気になったのが、巻末の著作者名が<東京府士族 藤本真>となっていたことです。

 それで、藤本真と依田百川について調べてみたら、これがなかなか面白いことがわかりました…
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 依田百川こと依田学海(1834-1909)は、文部省の書記官として漢文教科書の編集に携わった人物ですが、漢学者、文芸評論家、小説家、劇作家で、森鷗外の師としても知られ、鷗外の『ヰタ・セクスアリス』の文淵先生のモデルでもあります。

 依田学海と同じく千葉県佐倉生まれの藤本真こと藤本藤蔭(1843年頃の生まれ、没年不詳)ですが、この『新撰小学歴史』を発行した同じ明治21年に、日本最古の営業文芸誌として成功を収めた『都の花』を創刊しています。

 『都の花』は当時の人気作家であった山田美妙を表看板に主筆としていましたが、実質的には藤陰が雑誌の運営を行っていたということです。
 掲載作家には、山田美妙のほか、二葉亭四迷、幸田露伴、田辺花圃、内田魯庵、尾崎紅葉、村上浪六、広津柳浪などがおり、まさに日本の近代文芸の曙の観があります。

 二葉亭四迷や幸田露伴などの大手の作家からも先生と呼ばれた藤蔭は、また多くの後進作家を育てましたが、樋口一葉が半井桃水との師弟関係を解消した後は、藤蔭が一葉の相談相手だったそうです。

 さて、『都の花』の名目上の主筆となった山田美妙は、この時、若干20歳でしたが、翌年に『国民之友』誌に執筆した小説『蝴蝶』の挿絵(渡辺省亭筆)にヌードが登場したために発売禁止となるなど物議をかもしたことで有名です。

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明治21(1888)年のモダンな出来事
・4月13日 東京上野黒門町に日本初の珈琲喫茶店「可否茶館」開店
・5月29日 麒麟(キリン)ビール発売

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# by suzu02tadao | 2017-04-20 07:00 | Comments(0)

『旅の友』4月号

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 趣味の旅行雑誌『旅の友』<1931(昭和6)年4月号>です。

 名古屋鉄道局内にあった中部旅行協会の発行となっています。
 表紙は生涯にわたり名古屋を中心に活躍した杉本健吉(1905-2004)のデザインです。

 特集は「春の行楽」ですが、桜の名所を中心に紹介されていて、扉の写真は「京都・平安神宮の舞妓さん」になっています。
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 <春の行楽地紹介>では、「京都の春」「四日市鉄道と伊勢電沿線」「静岡、清水興津めぐり」「弁天島と浜名湖めぐり」など・・・
 名古屋近郊だけでなく、鉄道利用で行ける行楽地が載っており、東では「箱根めぐり」、西では「瀬戸内海(安芸の宮島)」が紹介されていました…

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 他の記事で、鉄道局OBの谷口梨花<我国に於ける鉄道の変遷物語>の中で、明治5年の鉄道施設以来、前年に特急「燕」ができたことにより、スピード化が急速に進んだと書いていますが、それでも、この当時の東京-神戸間は9時間もかかっていました。

 さすがに広告は地元が中心で、名古屋市内にあったカフェーや酒場が載っています。
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 その当時、吉田初三郎はとても人気があったことがわかります。
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 そして、今も当時と変わらない?
 こちらは大阪のレトロ・モダンな桜の情景をいくつか…

 泉布観
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 旧桜宮公会堂
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 中之島図書館
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 中央公会堂
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 さて、咲き初めてから花が散るまで僅か一週間か十日ほどの間に、桜はめまぐるしく様々に表情を変えます…

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 さまざまのこと思い出す桜かな

 桜の花びらが舞い散る道を歩くと、ふと芭蕉の句を口ずさんでしまいます。

 そういえば、先日亡くなられた大岡信さんが、新古今集は絵画のような静止画の美だが、古今集は映像のような動画の美だとして、桜を詠んだ歌では次の歌が一番好きだとどこかで書いていたように思います…

 さくら花ちりぬる風のなごりには
 水なきそらに浪ぞたちける
 (紀貫之)


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# by suzu02tadao | 2017-04-17 08:00 | Comments(2)