1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28


「蒲田行進曲」

◇楽譜「蒲田行進曲」表紙:1929(昭和4)年
c0239137_15222549.jpg

 「蒲田行進曲」は、松竹キネマ蒲田撮影所の所歌で、映画「親父とその子」の主題歌として、1929(昭和4)年に発表され、同年8月、川崎豊と曽我直子のデュエットで、日本コロムビアからレコードが発売され流行歌となった。
 1982(昭和57)年、つかこうへいの小説を原作として大ヒットした同名の映画の主題歌(歌手:松坂慶子・風間杜夫・平田満)としてリバイバルされたものが有名で、JR蒲田駅では発車メロディとして使用している。

◇「蒲田行進曲」歌詞<唄 川崎豊/曽我直子 作詞:堀内敬三 作曲:R.Friml>

虹の都 光の港 キネマの天地
花の姿 春の匂い あふるるところ
カメラの眼に映る かりそめの恋にさえ
青春もゆる 生命(いのち)はおどる キネマの天地

胸を去らぬ 想い出ゆかし キネマの世界
セットの花と 輝くスター ほほえむところ
瞳の奥深く 焼き付けた面影の
消えて結ぶ 幻の国 キネマの世界

春の蒲田 花咲く蒲田 キネマの都
空に描く 白日の夢 あふるるところ
輝く緑さえ とこしえの憧れに
生くる蒲田 若き蒲田 キネマの都


【参考】蒲田行進曲 - YouTube

 さて、この楽譜の装丁デザインにあるように、当時のキネマ(映画)はモダンで華やかなあこがれの世界であったようだが、これは斎藤佳三ではなく、藤沢龍雄の作品である。

 藤沢龍雄(1893-1969)は、森永のエンゼルマークを考案したデザイナーとして知られており、人物画が得意で、キンダーブックなどの絵本画家としても活躍した。
 1926年には、当時第一線で活躍していた濱田増治、多田北烏、室田久良三とともに「商業美術家協会」を設立している。
 1920年代も後半になると、日本のグラフィックデザイン界も新たなる局面を迎えており、それまでは良くも悪くも欧米のデザインをいち早く取り入れて、それを消化することに懸命であったのだが、この頃より、「日本独自のモダン・デザイン」を目指しはじめたのだった。

 藤沢龍雄も、『現代商業美術全集(第2巻)実用ポスター図案集』(アルス、1928年刊)の中で、自身の作品を次のように解説している。

日本趣味を主題にしたポスター
 現時日本のポスターがことごとく西洋の模倣と解されている際、日本人が日本人の持つ味、及びその線なり色彩で表現しようと試みたのがこのポスターである。
~(略)~日本の版画と近代味の混和が、この作品の狙いどころである。化粧品、呉服店等のポスターもこの辺からソロソロ新しい作風を示して行ってもいいと思われる。

c0239137_15332395.jpg

各種実用ポスター四種
 応用の広い、そしてポスターとしては最も危な気のない定則的模範的なものとして、四種類を創作されたものである。縦長のポスターとして実用に向く点は多かろう。

c0239137_15382966.jpg

by suzu02tadao | 2012-10-02 15:43
<< 「雨の中に唱ふ -Singin... 「浪花小唄」 >>