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1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
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つかの間の景観 -大阪朝日ビル・朝日新聞ビル-

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 大阪・中之島の中心部に建つ、大阪朝日ビル【1931(昭和6)年】と朝日新聞ビル【1968(昭和43)年】は、すでにほとんどのテナントが退去しており、もうすぐ解体作業が始まるようだ。
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 来年(2014年)の夏には解体工事も終了し、その後は、速やかに「中之島プロジェクト西地区」の新築工事に着手して、2017年の春~夏には新しいタワービルが完成する予定だそうだ。
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 大阪朝日ビルを囲むように、朝日新聞ビルがL字型に建てられており、両ビルの間は休憩スペース(喫煙場所)として使用されている。
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 このような姿が見られるのも、後わずかのようだ・・・。
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 改めて、大阪朝日ビルのディテールを見ると、竣工当時まだ珍しかったステンレスやアルミなど、金属素材が多用されており、そのシャープで幾何学的なデザインは、「日本で最もセンセーショナルな建物」と評されたわが国を代表するモダニズム建築であることがよくわかる。
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 朝日新聞ビルと比べてみても、むしろ、大阪朝日ビルのほうが未来的で新しく感じる。
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 だからといって、同じ様に客船をイメージして、アールがつけられたデザインの朝日新聞ビルが見劣りするというわけではなく、これぞ、まさしく「いいビル」の典型に他ならない…。
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 中之島フェスティバルタワー、大阪朝日ビル、朝日新聞ビルと続く景観も、なかなか悪くないと思うのだが・・・。
 以前にもとりあげた中之島フェスティバルタワーが竣工したのは昨年の11月7日だから、この景観もたった数ヶ月だけで見納めになるわけだ…。
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 この情景を眺めていると、ふと、『方丈記』の書き出しのことばが思い出されるのだった…。

 ゆく川の流れは絶えずして、しかも もとの水にあらず。よどみに浮かぶ うたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。


【追記】
 大阪朝日ビルから川沿いを西に歩くと、こちらは、もうすぐ竣工間近のダイビル本館。
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by suzu02tadao | 2013-02-22 11:45
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