人気ブログランキング | 話題のタグを見る

1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31


安治川トンネル

安治川トンネル_c0239137_1137101.jpg
 「安治川トンネル」は、以前にとりあげた「安治川水門」より少し上流の安治川の下を通る全長約81mの河底トンネル。
 幅2.4mの歩行者・自転車用通路の中は、今の季節だとひんやりと冷たくて、たんに涼みに来る地元の人もいるようだ・・・こう暑いと気持ちはよくわかります。
 ちょうど訪れた時には、修理工事中のようで、天井はブルーシートで覆われていたが、それも涼しさを演出しているようで一興に思われたのだった。
安治川トンネル_c0239137_11375847.jpg
 実はこのトンネル、元々は「安治川隧道」という名前で、計画されたのは昭和初期とけっこう古くて、当時この場所では「源兵衛渡」と呼ばれる渡し舟が運行されていたが、交通量の増加により処理することが困難となったため、当時の最先端の技術を用いた河底トンネルとして、1935(昭和10)年から建設が始められ、開通したのは戦時中の1944(昭和19)年だった。
安治川トンネル_c0239137_11382915.jpg
 地上から地下への移動は安治川の両岸にあるエレベーターで行われるというユニークなもので、かつては歩行者・自転車用の他に自動車用エレベーターもあったが、1977年に閉鎖され、ゴンドラの入口が封鎖された状態で残されている。
安治川トンネル_c0239137_11405567.jpg
 30年以上使われていない自動車用エレベーターの巨大な表示灯とその上の表面が剥がれて黒くなって判読困難となった利用注意事項の看板がレトロでいい雰囲気です。
安治川トンネル_c0239137_1142896.jpg

 南側(西区側)出入口の建物全景です。
 部分的には味わいがあるけれど、エレベーターのためだけの施設ということで、本当に質実剛健というか…味もそっけもない建物ですね。
安治川トンネル_c0239137_11431014.jpg

 北側(此花区側)出入口の建物です。
 こちらも、やはり同じように…味もそっけもない感じです。
安治川トンネル_c0239137_11434110.jpg

 ただし、川に面した建物の外観は、機能主義のシンプル・イズ・ベストの見本のようなグッド・デザインになっています。
 やはり、トンネル開通当時の安治川は河川舟運の重要航路だったわけで、頻繁に行き交う運搬船から見える側が建物の表なのだと思われます。
 隣接する「阪神なんば線」の橋梁と共に「水都大阪」にふさわしい美しい景観をつくりだしています。
安治川トンネル_c0239137_1144147.jpg

by suzu02tadao | 2013-08-12 11:50
<< 九条駅界隈 弁天町駅界隈 <街角レトロ -2-> >>