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1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
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「現代」 昭和11年11月号

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 「輝く日本博 案内記」は今月の初めにヤフオクで手に入れたもので、下鴨の古本まつりでも、「輝く日本博」や「阪神パーク」関連のものを絵葉書などを中心に探してみたが、結局は見つからずで・・・
 この大日本雄弁会講談社(現.講談社)の雑誌『現代』は、「輝く日本博」と同じ1936(昭和11)年発行ということで、モダンな表紙が気に入ってほとんどジャケ買いしたもので、なんといっても決め手は、淡谷のり子さんが「わかもと」の広告に登場していたからなんです・・・(ミーハーですねェ…)。
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 1936(昭和11)年は激動の年で、美術界でもゴタゴタがあって、記事を読むだけでもいろいろと面白いのだけれど、この当時の雑誌を見ていつも思うのは、掲載されている小説の挿絵にとてもいいものが多いということだ。
 以下、いくつかを紹介してみたい。

◇『都会の北極』 竹田敏彦
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 宮本三郎(1905-1974)は、挿絵画家としてはこの頃が一番油の乗り切った時期ではなかったかと思う。

◇『ナポレオン服覆面鬼』 木村毅
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 木村荘八(1893-1958)は翌年(1937年)、傑作として名高い『濹東綺譚』(朝日新聞連載)の挿絵を描くが、この挿絵もなかなかのものだと思う。

◇『いなづま』 海音寺潮五郎
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 最初にこの絵を見た時には岩田専太郎かと思ったが、これは小林秀恒(1908-1942)でした。

◇『逃げる花嫁』 丹羽文雄
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 吉邨二郎(1899-1942)は、中川紀元や古賀春江らと共に前衛美術団体「アクション」の創立メンバーだが、斎藤佳三や多田北烏らと共に日本のグラフィックデザインの先駆的活動をしており、<ZILO>サイン入りの観光ポスターでいいものがあったように記憶する。後年は挿絵画家として活躍。『少年倶楽部』などの子供向け雑誌の挿絵を数多く担当した。


 遅ればせながら下鴨の写真をいくつか・・・
 一見するとキャンプ場のテントの下でバーベキューでもしているような風景ですよね・・・

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 やはり、リュック・スタイルだと、糺の森の原生林の中で森林浴を楽しんでいるようにも見えますよね・・・
 あっ…、古本は紙だから、もともとは木でしたね・・・

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 だから、今年の下鴨は「山ガール」ならぬ「古本ガール」が多かったのでしょうか・・・?
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by suzu02tadao | 2013-08-24 16:00
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