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昭和11年のモダン常識語神戸で古本市があった時はだいたいいつも立ち寄ると、古本市で目ぼしいものが無かった時でも、ここでは何がしかの買物ができたのだが・・・今月末で閉店になるというのはとても残念なことです。 ここのところずっと昭和11年頃のものが気になっていて、この辞典も以前からたまに見ては楽しんでいたのですが、当時の世相をよく表わしていてとても面白いものです。 まずはモダン常識語ということで、モダンの項から見ていくと・・・ モダン (英)近代的、当世風の、これに他の言葉を加へて「---・ガール=略してモガ、断髪、洋装、浮薄でフラッパーで不良的な娘」「---・ボーイ=略してモボ、同様の男子」などの和製英語が出来、モガ、モボはアメリカにまで逆輸入されるほど流行してゐる。 となっています・・・。本当にアメリカにまで逆輸入されるほど流行していたんでしょうか? ただし、モガの登場は、当時の女性の社会進出とも関係していて、次のような新しい女性の職業も生まれていたようです。 ガソリン・ガール 街角のガソリン・スタンドにゐる女。都会における女新職業の一つ。 エア・ガール 和製英語、旅客機のお客に対し風景の説明、お茶などのサービスをなす婦人。 マリン・ガール (英)定期船の中のサービスガールをいふ、マリンは海上の、艦隊、海軍、水兵などの意がある。 男性の場合は、これもモボの一種だったのかもしれませんね・・・ マルクス・ボーイ マルクスを生噛りしてこれにかぶれ、見栄にこれを振り回す風船玉のやうな青年、嘲笑的に用ひらる。 スポーツでは、野球、テニス、ゴルフはすでにポピュラーになっていたようで、用語としてはこの辞典には載っていません。 そのかわり、野球用語については、コールド・ゲーム、コントロール、サウスポウ、スクイズ・プレイ、ダブル・ヘッダー、シャット・アウト、ピンチ・ヒッター、ボーク、リリーフなどが載っていて、この当時すでに野球が相当に世の中に浸透していたことが分かります。 それに比べるとサッカーはラグビーなどと共にまだまだ馴染みが薄かったようで、次のような説明になっています。 サッカー (英)ア式蹴球のこと、ラグビーは手を使ふがサッカーは足のみで手を使ふことは禁ぜられてゐる。 ア式蹴球とはアソシエーション式フットボールの略で、今でも早稲田大学のサッカー部の正式名称はア式蹴球部のようです。 また、ラクロスも新興スポーツということですでに取り上げられていて、意外な気がします。 それから、今日ではすでに当たり前になっていることも、この当時はまだまだ馴染みがなかったようなものもあります。 クリスマス (英)キリストの誕生を記念するお祝日「---・カロル」はこの日歌う讃美歌「---・ケーキー」はお祝いの菓子「---・ツリー」は室内に飾る常磐木「---・デコレーション」はお祝いの装飾「---・プレゼント」はお祝いの贈物。 本来、クリスマスはこういう日だったはずですが・・・ チョコレート (英)ココアから製した菓子、欧米では「美人の心を得るには花か---か」との言葉さへある。 まだ、バレンタイン・デーはありませんでした・・・ ジャズ (英)アメリカン・インヂアンの音楽からヒントを得たといふ乱調で狂騒的な音楽、またその音楽につれてやる踊。 アメリカン・インヂアンの音楽?・・・明らかに間違ってますよね。 他には、当時すでにクール・ビズも行われていたようです(今日とは若干主旨が異なりますが・・・)。 ノー・タイ 日本のやうに夏季酷熱の地では上衣を脱ぎネクタイ、カラーを去りテニスシャツに似た折襟の白の開襟シャツで御免蒙らうといふので漸時流行し出して来た、米国人あたりに羨まれてゐる、ノー・ネクタイの略。 以前に当ブログでも紹介した当時の最新科学技術であったテレヴィジョン、ロボット、ロケットなどの語も載っています。 なお、テレヴィジョンについては、この前に紹介した雑誌『現代』(昭和11年11月号)でも、日本における「テレビの父」高柳健次郎(1899-1990)が「最新テレヴィジョンの話」を載せています。 ◇「最新テレヴィジョンの話」雑誌『現代』(昭和11年11月号)より
by suzu02tadao
| 2013-09-02 13:00
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