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1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
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「別府へ」 大阪商船

◇1937(昭和12)年12月発行
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 < 阪神、四国、九州を結ぶ大阪商船の別府航路は世界に類を見ない海上公園瀬戸内海を横断するもので、この航路はまた東京、阪神、別府、阿蘇、雲仙、上海等をつなぐ国際観光ルートにも当ってをります。
 従って使用船は何れも観光船としての使命をもつ優秀船揃ひで、居ながらに明媚な風光を観賞し得る独特の設備を整へてをります。>


◇「こがね丸」
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 前回の奥野他見男の作品から10年も経ると、別府観光もすっかり定着したようで、大阪商船の別府航路も、「紫丸」や「紅丸」に代わって、更に大型の豪華客船「こがね丸」や「に志き丸」が主役になっています。
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 砂湯や地獄めぐりはもちろんのこと・・・
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 油屋熊八が開発した、現在の「やまなみハイウェイ」の原型でもある自動車による観光・・・
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 さらには「由布院温泉」や「別府ゴルフリンクス」も目玉のひとつになっています。
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 さて、前回から別府観光の旅を続けてきましたが、なんとここで、ミスター大阪とも言える織田作之助ことオダサクに出会ってしまいました。
 オダサクの別府三部作といわれる『雪の夜』『湯の町』『怖るべき女』の他に、『続・夫婦善哉』も別府が舞台になっています。

 下記は『雪の夜』の一節です。
 < しかし、さすがに流川通である。雪の下は都会めかしたアスファルトで、その上を昼間は走る亀ノ井バスの女車掌が言うとおり「別府の道頓堀でございます」から、土産物屋、洋品屋、飲食店など殆んど軒並みに皎々と明るかった。>

◇「流川通」
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 次回は、また、大阪に戻って、オダサクにゆかりのある界隈をブラブラと歩こうと思います・・・
by suzu02tadao | 2014-05-17 15:30
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