以前の記事
2018年 02月2018年 01月 2017年 12月 more... お気に入りブログ
ヴォーリズを訪ねて近代建築Watch レトロな建物を訪ねて Books & Things モダン周遊Ⅱ メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ロイ・リキテンスタイン
◇Two Paintings: Dagwood(1983年)
以前に『週刊朝日』に掲載されていた「ブロンディ」を紹介しましたが、アメリカの新聞に連載されて大人気だったこの漫画を、ポップ・アートを代表する作家のロイ・リキテンスタイン(1923-1997)が、作品にしていない筈はないと思って探してみたら、やはり、ありました… が、「Two Paintings: Dagwood(ふたつの絵画:ダグウッド)」と題されたこの作品は、1960年代の初期のものではなく、1983年制作のものでした。 初期の作品では、個人的には新聞広告をモチーフにした、「Girl with Ball」のような、なんとなく…ほんわかした作品が好きなのですが… ◇Girl with Ball(1961年) リキテンスタインは、安いペーパーに印刷されて流通する「大量消費財」として当時人気のあった「ラヴ・コミック」と呼ばれた恋愛漫画や戦争漫画などの劇的なシーンの一コマを拡大して描いた作品で、ポップ・アートの旗手として華々しくデビューしました。 ◇Vicky(1964年) 一見、漫画をそのまま写したように見えますが、大胆な構図と強烈でシンプルな線、単純化された色彩のドットで再構成された画面は完成度が高く、アンディ・ウォーホルがこれらの作品を見て漫画をモチーフにすることをあきらめて、キャンベル・スープ缶の作品をつくったのは有名な話です。 一時期、世間を騒がせた作品「Girl with Hair Ribbon(ヘアリボンの少女)」が、白と黒以外は赤・青・黄の3原色のみで構成されたモンドリアンの「コンポジション」シリーズへのオマージュであったように、リキテンスタインはモダン・アートの申し子であったとも言えます。(モンドリアンがセザンヌの息子だとしたら、リキテンスタインはセザンヌの孫と言えますね…) ◇Girl with Hair Ribbon(1965年) そして、現代の大衆消費社会を象徴する、このシンプルな線と単純化された色彩のドットという手法で、絵具をぶ厚く塗った筆跡(ブラッシュストローク)などのアイロニカルな作品や古今の巨匠の名画を再解釈したり、静物画や風景画など、様々なモチーフをまさにリキテンスタイン流に料理していったのでした。 ◇White BrushstrokeⅠ(1965年) 1980年代になると、その当時、注目を集めていたストリート・アート風の表現を取り入れたような作品をつくり始めますが、冒頭の「Two Paintings: Dagwood(ふたつの絵画:ダグウッド)」はその典型的な例と言えます。 NY生まれのリキテンスタインの作品には、都会人らしい洒落、ナンセンスなどの遊びのセンスがあふれていて、江戸時代の浮世絵師や戯作者と共通するものを感じます。 ◇Imperfect Painting(1987年)
by suzu02tadao
| 2016-02-01 13:45
|