1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
以前の記事
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
more...
お気に入りブログ
ヴォーリズを訪ねて
近代建築Watch
レトロな建物を訪ねて
Books & Things
モダン周遊Ⅱ
最新のコメント
最近はこちらのサイトをあ..
by sukimodern at 14:18
偶然この写真を拝見しまし..
by ヨッシー at 09:09
福田様 返事が遅くなり..
by モダン周遊 at 21:34
初めまして。ペンギン飼育..
by 福田道雄 at 20:44
そうですね… 後、フェ..
by モダン周遊 at 11:30
この界隈 ビルが急ピッ..
by 雪だるま at 05:32
須藤しげるは大正から昭和..
by モダン周遊 at 18:27
須藤しげるって初見なので..
by karan_coron at 13:23
ここは元から通りの幅が広..
by モダン周遊 at 11:23
通りの真ん中が駐輪場 ..
by 雪だるま at 05:49
メモ帳
最新のトラックバック
シャガール、ピカソ、マテ..
from dezire_photo &..
シャガール、ピカソ、マテ..
from dezire_photo &..
マルモッタン・モネ美術館..
from dezire_photo &..
美は幸福を約束するものに..
from dezire_photo &..
【姫路の老舗映画館が消え..
from ジョニー暴れん坊デップの部屋
個性的なビルがいっぱい:..
from 本読みの記録
ライフログ
検索
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


くらしの工夫

c0239137_22141551.jpg
装幀 佐野繁次郎

包紙‥明治頃、神田祭で、町内揃へでこしらへたお祭りゆかた。当時最も安いもの。但し、柄のいゝため、その後、お召友禅などに作られて、高いものができたが、結局よさは、この安物が最高となつた。

c0239137_22140799.jpg

表紙‥木綿の染縞。これも高い生地でまねるが、やつぱり之が最高。

c0239137_22205943.jpg

 大胆なゆかた柄の装幀が、下鴨納涼古本まつりの会場の雰囲気にピッタリだったので、思わず手に入れた『くらしの工夫』は、昭和17(1942)年の戦時中に発行された婦人誌です。
 「欲しがりません勝つまでは」の時代を反映して、大政翼賛会に関係のある出版社から出されたもので、横光利一「勝負」、吉屋信子「大東亜の生活表現」、林芙美子「京都の借家」、森田たま「あこがれの美」などの豪華な執筆陣をそろえています。
 
 私が興味を惹かれた、斎藤佳三「婦人標準服の考案」なんていうのもありますが、佐野繁次郎も「色の量(かさ)」を載せています。

 往々にして、紫には黄色が合ふなどと、配合のことが言はれてゐるが、実際にそれをやる場合は、その色の面積――すなはち、色の量(かさ)といふことで、まるで違つた結果になつてしまふ。~(略)~
 はつきり言へば、美しき配色の原則なんてなものはなにもないのである。~(略)~
 前に、すきな色から入れ、すきこそものの上手のたとへで、進歩も早い、そのすきな色をしつかり覚えるやうにいつたが、その教はつたすきな色を、たゞ一つ見てゐるより、どうしたら、さらにそれが目立つか、引きたてられるか、といふことを、いろんな色をそばにもつてきてやつてみるといゝ。~(略)~
 色に限らず、なんでも同じだと思ふが、いつぺんに出来るものではない。やる気があるなら、初めから多くをのぞまず一つ一つ、はつきり分るまでやりぬかねばだめである。~(略)~たとへ一年でも暇をみてだまつてやつてゐれば、気のついた時は他人が、一寸手のとゞきにくい所に自分は進級してゐるに違ひないんだが。


c0239137_22135375.jpg

 内容は表題の『くらしの工夫』が示すように、モノの再利用、リフォーム、手作り等の実用性を重視した記事が多く、戦後になって創刊した頃の『暮しの手帖』にとてもよく似ていたので、調べてみました…
 
 すると、やはり花森安治が戦時中にかかわった本であることがわかりました。

c0239137_22134592.jpg

 花森安治はペンネーム“安並半太郎”(しかし、このペンネームは何となく意味深ですね…?)で、179ページから231ページにわたり、長編の「きもの読本」を載せていて、花森安治の着物への造詣の深さを改めて認識できるのですが、その中には、次のように語っているところもあって、興味をそそられました…

 日本の文豪、谷崎さんが、大阪のじんべはいゝものだといつて着てをられるが、ちやんと古い、無地麻の袴をしてをられる。
 真白の麻のつつつぼのじんべに、くすんだ水色の袴となると、どつか古武士のやうな、――とても、これがあのだらしないじんべかと驚くばかりである。馬子にも衣裳の反対で、じんべも用ひ方で、かうなるものなのである。
 谷崎さんのその姿から、思つたのだが、剣道をやる人の、もゝ高な黒い袴に、短い筒袖、あれは、勿論、なんのおしやれも考へ込んであるものではないが、たしかに、古来、伝つた、日本の代表的な男の姿の、又、一つといつていゝ。


c0239137_22133791.jpg

 カットについては佐野繁次郎風ですが、これらは、三木張吉、田村草次郎となっています。
 また、写真を担当しているのが、『暮しの手帖』の写真を創刊号から長年撮っていた松本政利ということもあって、興味は尽きません…

c0239137_12361553.jpg

[PR]
by suzu02tadao | 2017-08-15 08:00 | Comments(0)
<< 【大阪・梅田】雑景 下鴨納涼古本まつり >>