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1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
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野口久光と映画雑誌「スタア」

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 野口久光(1909-1994)といえば、その独特な手描きの手法で、戦前から戦後にかけて、1000点を超える映画ポスターを手がけたことで有名で、特に『大人は判ってくれない』のトリュフォー監督とのエピソードは、すでに伝説になっています。

 上図は、1939(昭和14)年12月1日発行の映画雑誌「スタア」の裏表紙、東和商事配給映画「背信 Abus de confiance」の広告です。

 野口久光が東和商事に入社したのは1933(昭和8)年ですが、その当時はフランス映画の黄金時代で、広告宣伝においても、脚本、作品重視のフランス映画は、その作品にあったデザイン、レイアウトが求められ、特に東和商事は全てをデザイナーに任せるという社風だったため、野口久光も自分の思い通りに制作できたようです。

 子細に見てゆくと、主要キャストの俳優たちの特徴を、軽妙なタッチで描き分けながら、それぞれの俳優名をさりげなくフランス語で描き入れるなど、楽しみながら制作していたと思われ、野口久光の映画大好きぶりがうかがえます。

 余談になりますが、この映画の主演女優、ダニエル・ダリュー(Danielle Darrieux )は今もご健在(100歳)とのこと…!

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 さて、裏表紙の広告が野口久光作ではないかと思って手に入れた映画雑誌「スタア」ですが、表紙に描かれた桑野通子は、スラリとした抜群のプロポーションとモダンな美しさで、当時、大人気だった女優さんです。

 この表紙の絵もなかなか良くて、<Itoh(イトウ)>というサインが入っていますが、誰だろう…?

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by suzu02tadao | 2017-09-03 07:00
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