1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
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アイリーン・グレイ<E.1027>

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 思わず上っていきたくなるようなテラスに続く階段のある<E.1027>の写真に惹かれて、アイリーン・グレイの評伝の洋書を手に入れたのは、20年以上前、確か心斎橋にあったロゴス書店のバーゲンだったと思う。

 アイリーン・グレイの名前は知らなくもなかったが、この本を手に入れてから、<E.1027>は私の最も好きな建築作品のひとつとなり、アイリーン・グレイはマイブームになった。

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 バブルの頃、空間デザイナーがもてはやされ、青山や六本木にやたら洗練されたカッコイイ空間の店が増え、その空間の中で、人もインテリアの構成要素になるようにファッショナブルに振る舞うことが、流行ったことがあった。
 しかしながら、こういった空間は見た目はいいのだが、特に住宅の場合だと生活空間としては使いづらく、くつろげないため、居心地の悪い空間になりがちだった…

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 コルビュジエなどのモダニズム建築は、「レス・イズ・モア」の言葉通り、できる限り構成要素を少なくしたものが多いのだが、<E.1027>はアイリーン自身と当時のパートナーであったジャン・バドヴィッチの別荘として建てられたもので、暮らしやすさを第一に考えられているため、生活の用途に合わせて必要な要素が加えられており、造形的にはどこかゆるいところに適度な生活感があって親近感が湧いたのだった…

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 昨年、映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』が公開され、私は映画は観てないのだが、<E.1027>をめぐるコルビュジエとの確執を知って、長い間書棚にあったままのこの本を久しぶりに開いてみたのだった…

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「家は住むための機械ではない。人間にとっての殻であり、延長であり、 解放であり、精神的な発散である。外見上調和がとれているというだけではなく、全体としての構成、個々の作業がひとつにあわさって、もっとも深い意味でその建物を人間的にするのである」(アイリーン・グレイ)

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「あなたの家で過ごした二日の間に、その家の内外のすべての構造に指令を出している、類い稀な魂を称賛する機会をもつことができてとてもしあわせです。 モノトーンな家具とその設営ぶりにこれほどの風格と魅力、機知に富んだ形をあたえているのはその類い稀な魂なのです」(ル・コルビュジエ)

 当初は<E.1027>に惹かれ絶賛していたコルビュジエも、称賛の想いは徐々に嫉妬へと変化してゆき、自分の家のように勝手に入り浸り壁画を描き、また当時の建築雑誌の特集でも、作者としてアイリーンの名前の記載がなく、壁画の前のコルビュジエ夫妻の写真の掲載等により、長い間、<E.1027>はコルビュジエの作品として知られていたということです。

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 <E.1027>は、コルビュジエが提唱する近代建築の五原則をコルビュジエに先立って具現化した住宅で、憶測ですが、その後、コルビュジエ自身が手がけた「サヴォア邸」が、完成当初はひどい雨漏りのために住むことができなかったことも嫉妬の要因だったのではないかと思われます…

 アイリーンとの絶交の原因となったコルビュジエが描いた壁画。
 ピカソのエロチカのような作品ですね…
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 <E.1027>のすぐ裏に休暇小屋を建てたコルビュジエは、1965年に小屋から海水浴に出て心臓発作で亡くなるという、ちょっとドラマチックな人生の幕の閉じ方をしています。

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 次回はアイリーンの他のデザインについて取り上げます…

 現在の<E.1027>
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by suzu02tadao | 2018-01-20 07:00 | Comments(0)
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