1920~30年代を中心に、あれこれと・・・
by 大阪モダン
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28


アイリーン・グレイ<Design Works>

c0239137_13030764.jpg

 アイルランド生まれのアイリーン・グレイ(1878-1976)は、ロンドンやパリで美術を学び、家具のデザイナーとして活動を始めました。
 パリでは日本人の漆職人、菅原精造と出会い、漆工芸の技法を用いた作品を生み出すと、ベル・エポック期を代表するファッションデザイナーであり、美術のコレクターでもあったジャック・ドゥーセに見いだされました。

 漆のスクリーン(1913年作)はその当時の代表作ですが、典型的なアールデコ・デザインですね…
c0239137_13030004.jpg

 裏面が抽象的なデザインになっているところは、後年の作品を彷彿とさせます…
c0239137_13025306.jpg

 1913年のアイリーン。
c0239137_13024607.jpg

 ジャック・ドゥーセの美術コレクションの一部。
 ピカソ、ブラック、モディリアーニ、ザッキン、ブランクーシなど当時の前衛作家の作品が並んでいますが、今はオルセー美術館所蔵のアンリ・ルソー『蛇使いの女』の手前にある花瓶が載っている小さな丸テーブルがアイリーンの作品です。
c0239137_13024021.jpg

 その後、<ブリックスクリーン>などの幾何学的な表現へと、漆を用いた家具も作風が変化してゆき、デ・スティルの建築家J.J.P.アウトに賞賛されて広く紹介されるなど、同時代を代表するモダニズムの建築家たちと接点をもつようになっていきました。
c0239137_13023185.jpg

 そして、建築家として1927年から1929年にかけて、自身の別荘<E.1027>を設計。
 この家の家具としてデザインされたメタリカルな家具群は彼女の代表作になったのでした。
c0239137_13022549.jpg

 これらの家具はニューヨーク近代美術館の永久コレクションのサイドテーブル<E.1027>など、レプリカ製作され製品化され現在も人気を博しています。
c0239137_12591224.jpg

c0239137_12590468.jpg

 アイリーンは他にもメタリカルな家具をデザインしていますが、パンチングメタルを使用したこの書類入れのデザインにしても、他のモダニズムのデザイナーならば、穴の大きさを均一にするところを、それぞれの引出しごとにランダムにすることでポップに仕上げていて、こういうところにもクリエイティビティを感じます。
c0239137_12585817.jpg

 これは彼女が設計したもう一つの自邸<タンプ・ア・ペヤ>のテラス。
 居心地が良さそうですね…
c0239137_12585249.jpg

 晩年のアイリーン。
 マントルピースの上にあるのは、ザッキンの作品やアンティークの品々。
 そして背後には<ブリックスクリーン>が置かれています。
c0239137_12584570.jpg


c0239137_12583885.jpg

by suzu02tadao | 2018-01-23 08:00
<< 惜別の風景 アイリーン・グレイ<E.1027> >>